2025/07/23 フィールドターフ導入後のフィールドにおけるPFAS調査で、検出可能なPFAS物質なし―天然芝よりも低いPFAS含有レベルを確認
最近、米国の北カリフォルニアの2つの高校に敷設されたフィールドターフの人工芝フィールドを対象にした、第三者試験機関によるPFAS含有調査が実施されました。その結果、カリフォルニア州および米国環境保護庁(EPA)の土壌検査基準を超えるPFASは検出されず、一つのフィールドからは、PFASは不検出(検出限界値以下)でした。
この調査結果は、新規敷設される(張替えを含む)フィールドターフのフィールドの安全性を裏付けるものとなりました。
■調査結果の概要
この調査では、米国環境保護庁(EPA)の定めるテスト方法 EPAメソッド1633を用い、2校のフィールドターフの導入前と導入後におけるサーフェイスを対象に40種類のPFAS物質を評価しました。
A高校のフィールドは、フィールドターフ導入前は天然芝フィールドでした。B高校のフィールドは、ゴムチップを使用する古い人工芝フィールドから、フィールドターフの新サーフェイスへと張替えられたものでした。
いずれも、老朽化したサーフェイスから、コルク、オリーブ種子、砂などの天然素材を使用した新しいフィールドターフのサーフェイスに張替えを行いました。
調査の結果、B高校のフィールドターフ導入後のフィールドではPFAS物質は不検出(検出限界値以下)で、A高校のフィールドターフ導入後のフィールドからの検出はごく微量にとどまりました。
新旧フィールド含めたすべての調査結果は、EPAおよび米国各州の土壌検査制限を下回っており、かつ通常の土壌バックグラウンド範囲内でした。
表:サンプル測定結果とスクリーニング基準値の比較

※上記の表は、フィールドターフ社公表データに基づき和訳し再構成したものです。
ND:不検出(検出限界値以下)※検出限界は物質やマトリックスにより異なります。
J:測定法の検出限界と報告限界の間の推定濃度
赤字:スクリーニング基準値を超えた値
※両校の張替前のサーフェイス調査結果の値は、フィールド内の混合サンプルについて報告された最大測定値を掲載。
※両校の張替後のサーフェイス調査結果の値は、人工芝カーペットまたは充填材の試験サンプルの中で報告された最大値を掲載。
※対象となった学校およびサーフェイスの詳細については、試験機関と学校との契約上公開されていません。
フィールドターフは、ファイバー製造において、より安全な材料への転換を進める中で、明確な成果を上げています。現在のファイバーには検出可能なPFASは含まれておらず、従来品においてもごく微量しか含まれていないという第三者試験結果が得られています。これは、製品設計の段階から素材や構造を見直すフィールドターフの目的主導型設計による進化を示すものであり、安全性の証でもあります。フィールドターフは、性能面だけでなく、製品開発やサステナビリティにおいても業界をリードし続けています。
■天然芝フィールドにおけるPFAS含有の実態
PFASは人工芝だけの問題ではなく、天然芝フィールドにも含まれている可能性があります。
環境コンサルティング会社Woodard & Curran社が2024年に独自に調査し発表した白書「マサチューセッツ州の自然土壌に含まれるPFAS」では、マサチューセッツ州の未開発地から採取した表層土壌の100個のサンプルのうち88%からPFAS物質が検出され、9種のPFAS物質が確認されました。半数以上のサンプルは、最も厳しい州の土壌スクリーニング基準値を超えていたことも報告されています。
こうした背景は、Gradient社により実施された前述のカリフォルニア州のA高校におけるフィールド調査結果とも一致しています。A高校の天然芝フィールドでは、人工芝フィールドに張替えられる前の段階で、(B高校の)古い人工芝フィールドや、A高校、B高校に新たに導入された2つのフィールドターフのサーフェイスよりも高いPFAS含有レベルが検出されました。これにより、天然芝が必ずしもPFAS含有リスクが低いわけではないこと、人工芝フィールドよりもPFAS含有レベルが高くなる可能性があることが再認識されました。
■ 科学と透明性に基づいた継続的な検証体制
フィールドターフ社は25年以上にわたり、科学的根拠と透明性を重視した製品づくりに投資を続けています。今回のGradient社による調査に加え、フィールドターフは自社が製造する人工芝カーペットに含まれる可能性のあるPFAS物質を把握するため、70種類以上のPFASを対象とした第三者試験機関による検査も実施しており、製品の安全性と品質を裏付ける以下の結果が出ています:
- 米国EPAのスクリーニング基準値を超えるPFAS物質は主要製品の人工芝カーペットから検出されませんでした。
- ほとんどのPFAS物質が検出下限未満であったか、あるいは試験ラボに起因するバックグラウンド(分析環境由来の微量の検出)に起因するものでした。
- 最悪条件を想定した曝露シミュレーション(TOPアッセイ)でもPFAS物質のEPA基準を超える検出はありませんでした。
フィールドターフ社の副社長ダレン・ジル氏は次のように述べています。
「私たちは、実際のデータと専門家のサポートや知識に基づき、地域社会がより良い意思決定を行えるよう支援しています。25年以上にわたり正しい方法で物事を進めることに投資してきた私たちのこの姿勢が、今回の調査によって力強く証明されました。人と地球を守るという私たちの包括的なアプローチは、私たちの事業運営の根幹に深く根付いており、日々の意思決定の中核をなしています。」
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